試行と結果
確率計算の前に、「何を結果として記録するか」を決める
できるようになること
- 試行と結果の違いを説明できる
- 同じ試行に対して複数の結果の記録方法を挙げられる
- 目的と情報量の観点から、適切な結果の決め方を判断できる
結果をどう記録するか
サイコロを2回振ることを考えます。 出た目が2と5であったとき、あなたはこの結果をどのように記録しますか?
- A:順序付きの組(1回目の目, 2回目の目) と書く(例:(2, 5))
- B:合計 だけを書いておく(例:7)
- C:大きい方 だけを書いておく(例:5)
- D:特定の目が出たか(Yes or No) だけを書いておく(例:1の目が出たかどうか)
どれを選んでも、間違いではありません。 ただし、この選び方で、どの情報が残るのかあるいは消えるのかが変わります。
試行と結果
同じ実験でも、記録の仕方は複数あります。確率計算をする際には、
「1回の試行で、何を1つの結果として残すかを決める」(=記録の粒度を決める)
ことが出発点になります。ここで用語を整理します。
- 試行(trial):考察の対象となる実験や操作のこと。
- 結果(outcome):試行のあとに記録するもの。
先ほどの例に当てはめると、
試行:サイコロを2回振る 結果:次のどれかを選ぶ
- A:順序付きの組(1回目の目, 2回目の目)(例:(2, 5))
- B:合計(例:7)
- C:大きい方(例:5)
- D:ゾロ目が出たか(例:出たら Yes、出なければ No)
結果の選び方で、後の作業が変わる
確率を計算するとき、私たちは必ず
- 起こりうる結果をすべて数える
- その中で、知りたい条件に当てはまるものを数える
という流れをたどります。結果の決め方によって、この数え方も変わります。
- 順序付きの組(1回目, 2回目)を結果にすると → 全部で 36 通り
- 合計を結果にすると → 全部で 11 通り(2〜12)
- ゾロ目かどうかを結果にすると → 全部で 2 通り(Yes / No)
ポイント
何を結果にするかが、計算の土台そのものを変えます。
結果をどう決めればいいか
試験問題など、問題側が結果を指定している場合はそれに従えばよいです。 自分で決める場面では、次の2つの観点で判断します。
観点1:後で知りたいこと(目的)に直結しているか
最終的な目的を達成できるように結果を記録する必要があります。 例えば、合計の確率を知りたいなら、少なくとも合計が分かる情報を残す必要があります。
観点2:情報をおとしすぎていないか
結果をシンプルにしすぎると、後で必要な情報が戻せません。
- 「合計」だけだと、「(1,6) だったのか (3,4) だったのか」は区別できない
- 「Yes/No」だと、さらに多くの情報が落ちる
ヒント
迷ったら、まずは情報を落としにくい方(サイコロ2回なら順序付きの組)で記録しておくのが安全です。ただし、情報を細かく残すほど扱うデータは増えます。目的に十分な最小限まで整理していく意識も大切です。
まとめ
試行は「何をするか」、結果は「何を記録するか」を意味します。
同じ試行でも、結果の決め方は複数あります。 決め方の基準は「目的に直結しているか」と「情報を落としすぎていないか」の2点です。
結果を決めると、起こりうる全体が決まります。これが確率計算の出発点になります。