事象の演算(和・積・余)

事象を「足す」「重ねる」「ひっくり返す」

難易度 Lv 2 / 10想定時間:約15

できるようになること


まずは仕分けを考えてみる

サイコロを1回振ります。結果は、

Ω={1,2,3,4,5,6}\Omega = \{1, 2, 3, 4, 5, 6\}

です。ここで、2つの条件(事象)を用意します。

つまり、

A={2,4,6},B={1,2,3}A = \{2, 4, 6\}, \quad B = \{1, 2, 3\}

です。

問い:6つの結果を、次の4つに仕分けしてください。

(紙に書いて仕分けても、頭の中で考えるだけでOKです)

ここでやっていることはシンプルです。条件を 足す(どちらかに入る)/重ねる(どちらにも入る)/ひっくり返す(〜には入らない) の3つに分けて整理しているだけです。

事象の3つの演算

先ほどの問いを考えるために、和事象・積事象・余事象の3つの演算についてみていきましょう。

和事象:足す(どちらかに入る)

「どちらかに入る結果」は、AA または BB のどちらかを満たす結果の集まりです。

ABA \cup B

これを和事象とよびます。日本語では「または」を用いて表現します。

今回の例では、

AB={1,2,3,4,6}A \cup B = \{1, 2, 3, 4, 6\}

です。(偶数か、3以下か、のどちらかに当てはまるもの)

和事象のベン図

積事象:重ねる(どちらにも入る)

「どちらにも入る結果」は、AABB の共通部分です。

ABA \cap B

これを積事象とよびます。日本語では「かつ」を用いて表現します。

今回の例では、

AB={2}A \cap B = \{2\}

です。(偶数かつ3以下、のどちらにも当てはまるもの)

積事象のベン図

余事象:ひっくり返す(Aではない)

AA ではない結果」は、標本空間 Ω\Omega から AA を除いたものです。

AcA^{c}

これを余事象とよびます。日本語では「〜でない」を用いて表現します。

今回の例では、

Ac={1,3,5}A^{c} = \{1, 3, 5\}

です。(偶数ではない=奇数) また、AcA^{c}ΩA\Omega \setminus A と表現することもあります。

余事象のベン図

言葉と集合の対応

ここで、言葉(日本語)と集合の対応を簡単にまとめておきます。

注意

日本語の「または」は「どちらか一方だけ」というニュアンスで使われることもありますが、数学の「または」は「どちらか(両方含む)」という意味です。

先ほどの問いで整理

さっきの4つの仕分けは、式で書くとこうなっています。

この4つは重ならず、全部を集めると Ω={1,2,3,4,5,6}\Omega = \{1, 2, 3, 4, 5, 6\} になります。 (起こりうる結果を漏れなくダブりなく仕分けた状態です)

まとめ

事象の演算には3つあります。

この3つを組み合わせることで、標本空間を漏れなくダブりなく仕分けることができます。