事象の演算(和・積・余)
事象を「足す」「重ねる」「ひっくり返す」
できるようになること
- 和事象・積事象・余事象を集合の記号で書き表せる
- 「または」「かつ」「〜でない」を集合の演算に対応させられる
- 標本空間を3つの演算で漏れなくダブりなく仕分けられる
まずは仕分けを考えてみる
サイコロを1回振ります。結果は、
です。ここで、2つの条件(事象)を用意します。
- :偶数が出る
- :3以下が出る
つまり、
です。
問い:6つの結果を、次の4つに仕分けしてください。
- に入るが、 に入らない
- に入るが、 に入らない
- どちらにも入る
- どちらにも入らない
(紙に書いて仕分けても、頭の中で考えるだけでOKです)
ここでやっていることはシンプルです。条件を 足す(どちらかに入る)/重ねる(どちらにも入る)/ひっくり返す(〜には入らない) の3つに分けて整理しているだけです。
事象の3つの演算
先ほどの問いを考えるために、和事象・積事象・余事象の3つの演算についてみていきましょう。
和事象:足す(どちらかに入る)
「どちらかに入る結果」は、 または のどちらかを満たす結果の集まりです。
これを和事象とよびます。日本語では「または」を用いて表現します。
今回の例では、
です。(偶数か、3以下か、のどちらかに当てはまるもの)

積事象:重ねる(どちらにも入る)
「どちらにも入る結果」は、 と の共通部分です。
これを積事象とよびます。日本語では「かつ」を用いて表現します。
今回の例では、
です。(偶数かつ3以下、のどちらにも当てはまるもの)

余事象:ひっくり返す(Aではない)
「 ではない結果」は、標本空間 から を除いたものです。
これを余事象とよびます。日本語では「〜でない」を用いて表現します。
今回の例では、
です。(偶数ではない=奇数) また、 は と表現することもあります。

言葉と集合の対応
ここで、言葉(日本語)と集合の対応を簡単にまとめておきます。
- 「または」(どちらか、あるいは両方):
- 「かつ」(両方同時に):
- 「A ではない」:
日本語の「または」は「どちらか一方だけ」というニュアンスで使われることもありますが、数学の「または」は「どちらか(両方含む)」という意味です。
先ほどの問いで整理
さっきの4つの仕分けは、式で書くとこうなっています。
- だけ:
- だけ:
- 両方:
- どちらでもない:
この4つは重ならず、全部を集めると になります。 (起こりうる結果を漏れなくダブりなく仕分けた状態です)
まとめ
事象の演算には3つあります。
- 和事象():「足す」=どちらかに入る(または)
- 積事象():「重ねる」=どちらにも入る(かつ)
- 余事象():「ひっくり返す」=A ではない
この3つを組み合わせることで、標本空間を漏れなくダブりなく仕分けることができます。